2026年度のセミナー


第237回解析セミナー
日時 7月10日(金) 15:30〜17:00
場所 愛媛大学 理学部2号館2階 大演習室(201)
講師 森下 敬悟 (東北大学)
題目 大半径での Dirichlet trapped mode 消失の計算機援用証明
要旨
本研究では,三次元空間内に一次元的に等間隔で配置された円柱列に対する Dirichlet trapped mode の消失現象を考察する.有限個ではあるが十分長い円柱列に入射波を与えると,単一の円柱では見られない強い共鳴応答が現れることが知られている.この現象は,対応する無限周期構造における局在した同次モードの存在と密接に関係している. 周期長をd,各円柱の半径をaとする.本研究では,aがd/2に十分近い場合,すなわち隣接する円柱間のギャップd-2a が十分小さい場合には,第二カットオフ以下に非自明な Dirichlet trapped mode が存在しないことを証明した.Maniar-Newman (1997) による発見以降,第二カットオフ以下における大半径領域での Dirichlet trapped mode の消失現象はこれまで数値解析的に示唆されるのみであったが,今回の研究ではその厳密な証明を与えた.またこれは,小半径領域における Dirichlet trapped mode の存在に関する先行研究を補完する結果である. 証明では,無限次元の固有値問題を一次元の Schur 補元の正値性の問題へ帰着し,その正値性を,区間演算に基づく計算機援用証明によって検証した.近年,スペクトル幾何では,固有値やスペクトル不等式に関する計算機援用証明の有効性が注目されている.本研究では,そのような厳密数値計算の方法を周期構造における trapped mode の非存在問題に適用した.

第236回解析セミナー
日時 6月27日(土) 16:00〜17:30
場所 愛媛大学 理学部2号館2階 大演習室(201)
講師 青木 基記 (東京理科大学)
題目 2次元半空間上の外力付き非圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の解の非一意性について
要旨
2次元半空間上における非圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の初期値境界値問題を考える. Albritton--Brue--Colombo (2022) は, 線形不安定なプロファイルを持つ自己相似的な流れを構成することにより, 3次元全空間上における非圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式のLeray--Hopf クラスに属する弱解の非一意性を明らかにした. また, Albritton--Brue--Colombo (2023) は上述の手法を応用して, 3 次元有界領域における弱解の非一意性も示している. しかし, Albritton--Brue--Colombo (2023) では自己相似的な速度場の台が初期時刻において境界から十分離れた点に集中するように構成されているため, 境界の影響は実質的に無視できる状況となっている. 本研究では, 自己相似的な流れが初期時刻において境界に集中するような状況において非圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の解の非一意性を示す. 本研究は, 前川泰則氏(京都大学)との共同研究に基づく.

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