また平行して 生命および損害保険数理 についての研究も行っています。
私の主な趣味は、
(*) ポルトガル語での紹介はここ。
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北国の女性は、南の都会の人間に、色白で美しいと好もしく思われている。しかし津軽の女たちの多くが、ずんぐりしていて色が黒い。色の黒いのが日本女性の美点とされてこなかったのは、肉体労働の証しであるからで、ひいては女らしい優雅さの欠如の証しともなり、がさつな態度を思わせるからだ。また、 鯵ヶ沢甚句がはっきりとそう指摘しているわけではないけれども、色黒は人種的に百パーセント純血ではないということを示し得る。“人種的に純血”とは、 大和民族-土着民にとって代わった民族で、今日では一般に日本人の同義語と見なされている-の正会員であるということだ。
日本人以外では、多くの場合-たとえば、ケルト人やサクソン人、ノルマン人、デーン人などの血が混じっているかもしれないイギリス人の場合も-先祖が混血だからといって、夜眠れない、などということはまずないだろう。ところが多くの日本人は、いまだに“単一民族”であるとか、“人種的な独自性”とかいったことをガタガタいい続けているので、だれかに非大和民族の血が一滴でも流れているかもしれないと疑い出すと、笑ったり肩をすくめたりして軽くすますわけにはいかなくなるのだ。
民謡に歌われている娘は、肌の色のことなどなんとも思っちゃいないのだろう。そして、津軽人気質のいまひとつの好もしい一面をのぞかせている。“身のほど”なんぞにいじいじしない心意気である。ぼくはそういう女性を高く買っていた、と認めざるを得ない。吊し柿がたべたくてよだれがたまっていたぐらいだ。
アラン・ブース「津軽」(柴田京子訳)
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Last modified: 10/03/18