2012年度のセミナー
第102回解析セミナー
日時 | 12月7日(金) 17:00〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 猪狩 勝寿 氏(愛媛大学) |
題目 | Stationary strings in air flows and a non-linear boundary value problem |
要旨 |
We consider stationary states of a string with one end fixed in air flows.
Describing with a boundary value problem, we study how many stationary states there exist and if they are locally unique and stable.
A bifurcation phenomenon of stationary states will be found.
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第101回解析セミナー
日時 | 12月7日(金) 15:00〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | Jan Brezina 氏(九州大学) |
題目 | On asymptotic behavior of solutions to the compressible Navier-Stokes equation around a time-periodic parallel flow |
要旨 |
Under appropriate smallness conditions on Reynolds and Mach numbers
we show the global in time existence of strong solutions to the compressible Navier-Stokes equation around time-periodic parallel flows in $R^n$, $n\geq 2$.
Furthermore, we study the asymptotic behavior of these solutions and prove that the cases $n = 2$ and $n \geq 3$ are considerably different.
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第100回解析セミナー
日時 | 11月30日(金) 16:30〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 坂口 茂 氏(東北大学) |
題目 | Stationary isothermic surfaces in Euclidean 3-space |
要旨 |
Let $\Omega$ be a domain in $\mathbb R3$ with $\partial\Omega= \partial\left(\mathbb R3\setminus \overline{\Omega}\right)$, where
$\partial\Omega$ is unbounded, connected,
and of finite topology,
and let $u$ be the solution of the Cauchy problem for the heat equation $\partial_t u= \Delta u$ in $\mathbb R3,$
where the initial data is the characteristic function of the set $\Omega^c = \mathbb R3\setminus \Omega$.
We show that, if there exists a stationary isothermic surface $\Gamma$ of $u$ with $\Gamma \cap \partial\Omega = \emptyset$,
then $\partial\Omega$ must be either a hyperplane or a circular cylinder.
This is proved as a corollary of the similar theorem for uniformly dense domains in $\mathbb R3$,
where the word ``uniformly dense" was introduced by Magnanini-Prajapat-Sakaguchi (2006).
We make use of the fact that there exists a parallel surface to $\partial\Omega$,
whose mean curvature is constant, in $\mathbb R3$,
and hence we can use the structure theorem of embedded surfaces with constant mean curvature by Korevaar-Kusner-Solomon (1989) and that of embedded minimal surfaces of finite topology by Meeks III - Rosenberg (2005).
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第99回解析セミナー
日時 | 11月16日(金) 15:00 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 瀬片 純市 氏(東北大学) |
題目 | 周期境界条件下における4階非線形シュレディンガー型方程式の適切性 |
要旨 |
本講演では渦糸運動の高次近似モデルとして現れる4階非線形シュレディンガー型方程式について考える。
この方程式は通常の非線形シュレディンガー方程式同様、空間周期的な定在波を持つ。
この定在波の安定性を示すためにまず方程式の適切性を示す必要があるが、
そこで本講演では周期境界条件下における4階非線形シュレディンガー型方程式の適切性について考察する。
この方程式は非線形項に微分項を含んでいるため、通常のエネルギー法を用いることが出来ない。
本講演ではこの困難をどのように克服するのかを中心に解説したい。
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第98回解析セミナー
日時 | 7月13日(金) 16:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 安藤 和典 氏(筑波大学) |
題目 | 六角格子上の離散シュレーディンガー作用素の逆散乱理論について |
要旨 |
六角格子を平面上の次数3の正則グラフとみなして、
離散シュレーディンガー作用素の散乱および逆散乱問題を考える。
まず、順問題として六角格子上の離散シュレーディンガー作用素のスペクトルの絶対連続性について
Mourre評価を導出して示した後、
極限吸収原理から抽象的な定常散乱理論を用いてスペクトル表示、
さらに散乱振幅の表現を得る。
次に、逆問題としてポテンシャルの再構成手続きを示す。
その際に鍵となる二つの補題、解析接続とレゾルベント評価、に関して説明する。
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第97回解析セミナー
日時 | 6月29日(金) 16:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 中桐 信一 氏(神戸大学) |
題目 | 移流拡散方程式系の逆問題 |
要旨 |
本講演では,移流拡散方程式系の逆問題を考察する. 研究の動機は, 結合された
プラグフロー反応拡散系において流体の空塔速度を境界観測から一意的に決定で
きるかという逆問題から来ている.この問題を解決するために, 未知の移流項と
ポテンシャル項をもつ単独の移流拡散方程式を考える. この方程式の半群的取り
扱いを与えたのち, 逆問題解析で用いられる変形公式とGel'fand Levitan 理論
を拡張する.ここでは,非零な初期値もしくは境界入力に対し2つのタイプの逆
問題を考え, それぞれの問題を拡張された変形公式とGel'fand Levitan 理論を
用いて解く.最後にその結果をプラグフロー反応拡散系の逆問題に適用する.時
間があれば, 非局所項を持つ移流拡散方程式に対する逆問題についても解説したい.
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第96回解析セミナー
日時 | 6月22日(金) 16:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 堀内 利郎 氏(茨城大学) |
題目 | The symmetry breaking of the non-critical Caffarelli-Kohn-Nirenberg type inequalities by a linearization method |
要旨 |
本講演ではCaffarelli-Khon-Nirenberg 型の不等式においてパラメータが大きいとき対称性の破れが実際におこる事の解説をする。
ここで用いられる手法は、非線形退化型作用素に対する線形化法である。 バック・グラウンドとして最近のCaffarelli-Khon-Nirenberg 型の不等式に関する結果を紹介し、それらに基づき対称性の破れを定理の証明の概略を含め考察する。
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第95回解析セミナー
日時 | 6月9日(土) 15:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 進藤 久和 氏(福岡工業大学) |
題目 | Space-independence of spectra of bounded operators |
要旨 |
タイトルから内容を想像することは難しいと思うが,
Space は一般の Banach 空間を指しており,
特にL^p空間を念頭に置いている.
Space をL^pに置き換えた「スペクトルのL^p不変性」の方がまだ通りが良いと思う.
このスペクトルのL^p不変性に関する初期の結果として, 適当な条件を満たすポテンシャルに対し,L^pにおける Schr\"odinger 作用素のスペクトルがpに依らないという, B. Simon ('80) や R. Hempel と J. Voigt ('86) の結果がある. また,積分作用素のスペクトルがpに依らないことを示した結果もある (B. A. Barnes ('87) や P. C. Kunstmann ('00)). 一方,これらの先行研究が扱っている作用素と対象が異なる場合があるものの, ある条件を満たす作用素については,比較的簡単な証明で, スペクトルのL^p不変性(より一般に,空間が変化してもスペクトルは変化しないこと)を示せる. 本講演では,これらの結果を紹介する. なお,この内容は,今年1月に開かれた「スペクトル・散乱あきう(秋保)シンポジウム」で講演したものであるが, 今回は,より詳しい証明まで述べたい. |
第94回解析セミナー
日時 | 6月9日(土) 13:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 竹田 寛志氏(福岡工業大学) |
題目 | 非線形消散型波動方程式の解の漸近形について |
要旨 |
非線形消散型波動方程式の初期値問題を考える.
この方程式の大域解の漸近挙動は,
二次展開までその漸近形が対応する非線形熱方程式と一致することが知られている.
今回の講演では, それらの結果を概観し,
周波数空間における基本解の展開を基にして高次の漸近形を決定する方法を示す.
特に, 線形主要部の高階微分の効果によって漸近挙動の違いが生じる構造を明らかにする.
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第93回解析セミナー
日時 | 4月27日(金) 16:30 〜 |
場所 | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師 | 観音 幸雄 氏(愛媛大学) |
題目 | 2種競争系の定常解の解構造について |
要旨 | 本報告では,古典的な2種競争系を一般化した反応拡散系を扱い, その球対称定常解の解構造に関して, これまでに得られている結果のいくつかを紹介したい. 生物の住処が区間の場合には, 線形化作用素の性質を調べることにより, 古典的な2種競争系の解構造はある単独の反応拡散方程式のそれと類似していることが分かってきている. しかし,システムであることからいくつかの課題が生じ, 一般化された系においては, その解構造を完全に決定することができていない. 報告の中で,それらの課題についてもふれたい. |
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