令和7年度 数学・数理情報コースの科目概要
※ 入学年度によって科目名や内容が変更されている場合があります。
理学部共通基礎科目(数学・数理情報に関する科目)
数学の基礎
科学においては、根拠を述べながら論理的に議論することが求められる。特に、数学及び情報科学において論理的な推論は必要不可欠である。この授業では、日常の言葉や高等学校で学んだ「集合」等を題材にしながら、論理的な推論に必要な言葉を理解するとともに、証明の仕方を身につける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 論理に関する基本的な言葉「かつ」「または」「でない」「ならば」「必要条件」「十分条件」を説明できる。
- 与えられた命題の否定を述べられる。
- 簡単な命題を、根拠を述べながら論理的に証明できる。
数理情報の基礎
数学・数理情報をはじめ、科学においてデータの客観的な分析は必要不可欠である。この授業では、豊富な実例を用い、アクティブラーニングも交えて、データの基本的な扱い方を身につける。その際、統計解析ツールの使い方というよりは、数理的な思考方法に重点を置く。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- データを客観的に扱うことの大切さや難しさを、具体例を挙げて説明できる。
- データのグラフを適切に描いたり、解釈したりすることができる。
- 統計誤差やデータの偏りを過大評価している例を列挙できる。
- 平均値や相関係数の意味や役割を正しく説明できる。
数学Ⅰ
ベクトルや行列の種々の計算、連立一次方程式の解法、行列式の計算、固有値・固有ベクトルの求め方、行列の対角化の方法など、理系科目で必要となる線形代数に関わる基本的計算技術を一通り身に付ける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- ベクトルや行列の計算ができる。
- 行列の基本変形を用いて、連立一次方程式を解くことができる。
- 行列式の計算ができる。
- 行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
- 行列の対角化ができる。
数学II
微分積分は、自然科学や工学などの分野において必須の基礎学問である。この授業では、理学を専門的に学ぶにあたって必要となる多変数関数の微分と積分の基礎的な計算力を修得する。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 偏微分の概念を理解し,合成関数の微分や多変数関数のテイラー展開の計算ができる。
- 多変数関数の極値問題が解ける。
- 重積分の概念を理解し、積分計算ができる。
- 変数変換法に習熟し、さらに応用問題が解ける。
数学・数理情報コース体系科目・課題科目
集合と位相Ⅰ
数学及び情報科学を学ぶ上で必要となる集合と写像の基礎事項を修得する。集合及び写像に関する基礎概念を理解し、それらの論理的な扱い方を身につける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 集合と写像の基本的事項(像・逆像・全射・単射・同値関係・同値類・商集合)について説明できる。
- 像および逆像を正しく記述できる。
- 集合及び写像に関する簡単な性質を論理的に証明できる。
代数学Ⅰ
ベクトル空間の中で最も基本的かつ重要な例である数ベクトル空間の理論について学ぶ。まずは、連立一次方程式の解空間を対応する線形写像や行列の言葉で説明できるようになる。次に、行列の行列式について、その定義から基本的な性質を導き、それを用いて具体的な行列式の計算ができるようになる。この科目は代数学に関する一般的包括的な内容を含む。具体的な授業の到達目標は以下の通りである。
- ベクトルや行列の具体的な計算ができる。
- 線形写像の像と核を求めることができる。
- 連立一次方程式の解法を理解し、解空間の構造が決定できる。
- 行列式の基本的な性質を理解し、具体的な行列式の計算ができる。
解析学の基礎
微分積分学など解析学に関わる極限を理論的に取り扱えるようになることを目的とし、数列の極限、関数の極限、関数の連続性に関する理論を深く学び、それらに関わる命題や定理の証明方法を習得する。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 数列の極限を理解し厳密に取り扱うことができる。
- 関数の極限を理解し厳密に取り扱うことができる。
- 級数の意味を理解し厳密に取り扱うことができる。
確率統計学I
微積分、線形代数、集合などを用いて確率論の基礎を学ぶ。また、統計的推測・仮説検定で必要となる様々な確率分布についての性質や計算方法を理解する。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 確率の定義、および基本的な性質を理解できる。
- 離散型・連続型確率変数に関する基本的な性質を理解できる。
- 重要な確率分布について、具体的な確率の計算ができる。
- 大数の法則、及び中心極限定理を応用できる。
集合と位相II
濃度は、有限集合の「個数」にあたる概念を無限集合へ拡張した概念で、現代数学において基本的である。一方、距離空間は、幾何学・解析学・位相数学等、様々な数学の分野で使われる概念である。この授業では、濃度と距離空間に関する基本的事項を修得する。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 濃度が等しいことについて説明できる。
- 与えられた集合が可算集合かどうかについて説明できる。
- 距離空間の定義と基本的概念(点列の収束、開集合、閉集合)を説明できる。
- 連続写像の定義を理解し、与えられた写像の連続性を証明できる。
- 完備性と点列コンパクト性について説明できる。
数理情報処理I
コンピュータを用いてデータ解析を行ったり、計算機プログラムを作成して数学・数理情報的な問題を解いたりするための、基本的な計算機スキルを身につける。授業は、講義で学んだ内容を、コンピュータを用いた演習で実践するという形で進める。演習の際には、主として統計解析用言語R(またはPython)を用いる。この科目はコンピュータの一般的包括的な内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- コンピュータを用いて、標本データの基本的な解析が実行できる。
- コンピュータを用いて、基本的な行列計算ができる。
- 2進整数や浮動小数点数の計算の原理を説明できる。
- 数学・数理情報的な簡単な問題を解くためのプログラムを作成することができる。
代数学II
抽象的に定義されたベクトル空間(内積空間を含む)およびその上の線形写像について基本的な性質を学ぶ。また、行列や線形写像の固有値についても学ぶ。この科目は代数学に関する一般的包括的な内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- ベクトル空間の公理、基底、次元などの諸概念を理解し、説明できる。
- 線形写像の性質を理解し、行列との関係を説明できる。
- 内積空間を取り扱うことができる。
- 行列や線形写像の固有値を理解し、計算することができる。
幾何学I
曲線や曲面は幾何学的対象である“図形”の典型例である。この授業では、これらの微分幾何学的な取り扱いについて学ぶ。特に、曲率について詳しく学ぶ。また、応用についても学ぶ。この科目は幾何学に関する一般的包括的内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 曲線と曲面を曲率に関わる微分幾何学の理論に基づいて扱うことができる。
- 線積分や多変数ベクトル値関数の微分を理論に基づいて扱うことができる。
解析学I
この授業では、解析学における基本的な概念である収束や連続性について理解し、数列や関数の振る舞いを厳密に調べるための方法を修得する。特に、関数列の各点収束と一様収束の違い、一様収束と微分・積分との関係について詳しく学ぶ。また、応用としてべき級数の収束半径について学ぶ。この科目は解析学に関する一般的包括的な内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 連続関数と一様連続関数の違いを説明できる。
- 関数列の収束、一様収束が理解できる。
- べき級数について理解し、収束半径を求めることができる。
- 1変数関数の積分が理解できる。
確率統計学II
確率統計学Ⅰに引き続き、確率論および統計学を学習する。特に、データサイエンスに役立つ種々の統計的手法について、深く掘り下げて学ぶ。この科目は「確率論、統計学」の一般的包括的な内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 与えられたデータに対して、統計的推測を実行できる。
- 与えられたデータに対して、仮説検定を実行できる。
- 解析目的に応じて、統計的推論の手法を正しく使い分けられる。
- 統計的推論の原理を数学的に説明できる。
数理情報処理II
伝統的な数学や統計学の分野でも新しいデータサイエンスの分野でも、コンピュータを用いて数学的な問題を解くことが求められる。この授業では前期の数理情報処理Iに引き続き、コンピュータを用いてプログラムを作成し問題を解くための、より実践的な計算機スキルを身につけることを目的とする。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- コンピュータを数学の問題などを解くために利用することができる。
- コンピュータによるデータの各種扱いとそれに伴う計算を説明できる。
- 数学・数理情報に関する応用的な問題を解くためのプログラムを作成することができる。
代数学III
最も基本的かつ広範な応用範囲を持つ代数系である群について、その基本的な構造を理解する。また、抽象的な議論、概念の一般化の方法について学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 群の公理を理解し、そこから導かれる基本性質について説明できる。
- 群および部分群の基本的構造について説明できる。
- 準同型定理を用いて群の構造を調べることができる。
位相数学I
位相空間は、現代数学における基本概念であると共に、抽象的な数学概念の典型例でもある。この授業では、位相空間に関する諸概念を理解するとともに、証明を通じて抽象概念に対する論理的な議論の方法を学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 位相空間の定義を理解し、その基本的概念について説明できる。
- 連続写像の定義を理解し、与えられた写像の連続性を証明できる。
- 位相空間のコンパクト性について説明できる。
確率統計学III
確率統計学I・IIに引き続き、確率論および統計学を学習する。特に、データサイエンスに役立つ種々の統計的手法について、深く掘り下げて学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 与えられたデータに対して、多変量解析の各手法を実行できる。
- 解析目的に応じて、多変量解析の手法を正しく使い分けられる。
- 多変量解析の原理を幾何学的に説明できる。
幾何学II
グラフや曲面は幾何学的対象である“図形”の典型例である。この授業では、これらの位相幾何学的な取り扱いについて学ぶ。特に、基本群について詳しく学ぶ。また、応用についても学ぶ。この科目は幾何学に関する一般的包括的内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- ブーケ、グラフ、曲面を基本群に関わる位相幾何学の理論に基づいて扱うことができる。
- ケーリーグラフ、自由群、群の表示を理論に基づいて扱うことができる。
解析学II
複素解析学は、それ自身が一つの研究対象であるとともに、数学の様々な分野における基礎をなし、理工学において広く応用されている。この授業では、微分積分学で修得した知識・技能をベースとして、複素解析学の基礎理論と応用について学び、解析学の論理的思考力を身につける。この科目は解析学に関する一般的包括的な内容を含む。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 複素数の計算ができ、その幾何学的な意味がわかる。
- 複素関数の正則性と解析性の同値性が理解できる。
- 留数定理を用いて様々な積分値が計算できる。
現象の数理I
物理現象をはじめとする自然現象の多くは、微分方程式によって記述され、その解析は数学全般の基礎の一つであるとともに、様々な分野において重要な役割を担っている。この講義では、解析学全般にわたって得られた知識・考え方を元に、常微分方程式の基礎的な理論を学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 簡単な微分方程式を求積法で解くことができる。
- 定数係数の線形方程式を解くことが出来る。
- 線形方程式の解の構造を説明できる。
- 定数係数の1階線形方程式系を解くことができる。
数理情報処理III
機械学習はデータサイエンスの基盤を成す数理的手法であり、主として統計学や数理最適化理論に基づく。この授業では機械学習の中から、いくつかの基本的な手法について学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 「教師あり学習」「教師なし学習」「過学習」の意味および代表例を説明できる。
- 線形モデルによる2クラス分類を実行できる。
- 階層的クラスタリングやk-means法により、データをクラスタに分類できる。
代数学IV
環は、群と同様に現代代数学における最も重要な代数系の一つである。この授業では、具体例を通して環の基本的な性質や構造を学ぶ。また、群論と同様に、環やイデアルの種々の操作を通して、現代代数学の抽象的な考え方を身につける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 環、体、イデアルの定義を述べることができ、それらの具体例を挙げることができる。
- 剰余環を説明することができる。
- 準同型定理を用いて、与えられた環の構造を調べることができる。
- 素イデアル、極大イデアルとそれらによる剰余環の関係を説明できる。
- ユークリッド整域、単項イデアル整域、一意分解整域の関係を説明できる。
位相数学II
位相は数学のさまざまな場面で登場する基本的な概念である。特に、ある対象が存在することを証明する場面では、位相空間の連結性やコンパクト性、距離空間の完備性が本質的な役割を果たすことがある。この講義では、連結性やコンパクト性、および距離空間の完備性に関する重要な定理を学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 連結空間、コンパクト空間、完備距離空間について説明できる。
- 上記概念に関する基本的性質を証明できる。
解析学III
前半ではフーリエ級数について理解し、フーリエ級数の理論を使った偏微分方程式の解法を学ぶ。後半では熱方程式、ラプラス方程式の解の存在性・一意性、解の基本的性質等について学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- フーリエ級数の理論を説明することができる。
- 熱方程式等の偏微分方程式を、フーリエ級数の理論を使って解くことできる。
- 基本的な偏微分方程式の解の性質を述べることができる。
現象の数理II
物理現象をはじめとする自然現象の多くは、微分方程式によって記述され、その解析は数学全般の基礎の一つであるとともに、様々な分野において重要な役割を担っている。この講義では、「現象の数理I」に引き続く講義として、解析学全般にわたって得られた知識・考え方を元に、常微分方程式および偏微分方程式の基礎的な理論を学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 連立微分方程式の平衡解の安定性を判定できる。
- フーリエ級数の理論を説明することができる。
- 波動方程式および熱方程式等の偏微分方程式を、フーリエ級数の理論を使って解くことできる。
数理情報処理IV
これまで学んだ線形代数学や微分積分学に現れる様々な問題を、計算機を使って数値的に解を求める手法の重要性を理解する。また、各種計算法の実装を通してプログラミングの習熟を目指すとともに、解法の比較や改良に必要な知識を身につける。授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 計算機で表現できる数の性能と限界を理解する。
- 計算機を使って、非線形方程式や連立一次方程式を解くことができる。
- 計算機を使って、与えられた定積分の値を求めることができる。
- 計算機を使って、与えられた常微分方程式の解を求めることができる。
数理応用I
シミュレーションは物理学や工学などの分野だけでなく、経済学や社会学などにも幅広く用いられており、現代社会の様々な分野を支えている。この講義では、計算機を用いた数値シミュレーションのさまざまな問題について、数値モデルの構築と実施について学ぶ。初めに、確率論的手法に焦点をおき、擬似乱数の利用、モンテカルロ法、マルコフ連鎖、カルマンフィルタについて学ぶ。また、シミュレーションの結果を表示するための可視化手法についても学ぶ。さらに、アニメーションの技法について学び、続いて論理回路のシミュレーション、信号処理、同時進行のイベント、通信トラフィックのシミュレーションなどについて理論と実践をバランスよく学習する。 授業の具体的な到達目標は以下のとおりである。
- 疑似乱数とは何かを、代表的な生成法を挙げて説明できる。
- モンテカルロ法、マルコフ連鎖とは何かを、具体例を挙げて説明できる。
- カルマンフィルタとは何かを、具体例を挙げて説明できる。
- シミュレーション結果を可視化することができる。
- シミュレーションの結果をアニメーションで表現できる。
- ブール代数に基づく論理回路のシミュレーションができる。
- 雑音の中から本来の信号を取り出すシミュレーションができる。
- 同時進行で発生するイベントのシミュレーションができる。
- 待ち行列に基づく待ち合わせシステムを理解しシミュレーションができる。
- 簡単な問題について、学習した内容を用いた数理モデルを構築してシミュレーションを行うことができる。
代数学V
本授業は、代数学に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。 代数学において、群・環・体は最も基本的で重要な数学的対象である。この授業では群論や環論の基礎的な知識を下地として、体論、特にガロア理論の初歩を学ぶ。これら群・環・体が相互に関与する理論を学ぶことを通して、現代代数学における基本的な手法や考え方を修得することを目的とする。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 体の拡大に関する基本的な概念や用語の定義を述べることができる。
- 与えられた体の拡大が代数的、超越的、有限次、分離的、正規、ガロア拡大であるかどうかを、それぞれ判定できる。
- 与えられた多項式の最小分解体を求めることができる。
- 与えられたガロア拡大のガロア群を求めることができる。
- ガロアの基本定理を説明できる。
幾何学III
本授業は、幾何学に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。 ユークリッド開集合や多様体は幾何学的対象である“図形”の典型例である。この授業では、これらの微分位相幾何的な取り扱いについて学ぶ。特に、ド・ラームコホモロジーについて詳しく学ぶ。また、応用についても学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- ユークリッド開集合上の微分形式を理論に基づいて扱うことができる。
- ユークリッド開集合のド・ラームコホモロジーを理論に基づいて扱うことができる。
- 滑らかな多様体のド・ラームコホモロジーを理論に基づいて扱うことができる。
位相数学III
本授業は、位相数学に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。 身近な実数の部分空間である、Cantor集合、無理数空間、有理数空間を距離空間の立場から特徴付けをし、数学の基礎を確固たるものとする。また、抽象的な概念から具体的な空間を概観する。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- カントール集合、無理数空間、有理数空間とその位相的特徴づけについて説明できる。
- 与えられた距離空間の完備性を確かめられる。
- 定理の証明を通して、集合や極限を容易に扱えるようになる。
解析学V
本授業は、解析学に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。関数解析は偏微分方程式論への応用など、数学において基本的である。この講義では関数解析の基礎的な事項について学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 縮小写像の原理とその応用を説明することができる。
- Banach空間とその例を説明することができる。
- Hilbert 空間とその正規直交系について説明することができる。
数学・数理情報特別講義
講義・演習・実習を通じて、数学・数理情報に関わる諸分野における先端研究に関わる題材や発展的・応用的内容・今後の展望などについて学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 数学・数理情報に関して、先端研究に関わる題材や発展的・応用的内容・今後の展望などについて学んだことを表現することができる。
数学・数理情報セミナーA
数学・数理情報に関して、学びたい内容を自主的に設定し、少人数または中人数によるセミナー・演習・実習を通じて、主体的に学習する方法を身につける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 数学・数理情報に関して、学びたい内容を想定して, 自主的に学習に取り組むことができる。
- 数学・数理情報に関して、学んだ内容を発表することができる。
- 数学・数理情報に関する発表に対し、質問・意見ができる。
数学・数理情報セミナーB
数学・数理情報に関して、指定テキスト・指定課題を選び、少人数または中人数によるセミナー・演習・実習を通じて、深く学習する方法を身につける。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 数学・数理情報に関して、指定テキスト・指定課題の内容を深く理解することができる。
- 数学・数理情報に関して、指定テキスト・指定課題の内容を正確に発表することができる。
- 数学・数理情報に関する発表に対し、的確に質問・意見ができる。
シミュレーション論A
本授業は、シミュレーション論に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。計算機を用いた数値シミュレーションの代表的な手法の1つに、モンテカルロ法がある。モンテカルロ法では、疑似乱数を用いて、確率変数のサンプリングを行う。本授業では、疑似乱数の理論も含め、モンテカルロ法の数理的な基礎および具体例を学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 疑似乱数とは何かを、代表的な生成法を挙げて説明できる。
- モンテカルロ法とは何かを、具体例を挙げて説明できる。
- 計算機を用いて、モンテカルロ法の初歩的な計算を実行できる。
シミュレーション論B
本授業は、シミュレーション論に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。身近な自然現象や社会現象の解析において、数理モデルに基づく数値シミュレーションが重要な役割を果たす。本授業では、常微分方程式、偏微分方程式および時系列モデルを用いたモデリングとシミュレーションについて、豊富な具体例をもとに、理論と技法の両面を、バランス良く学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 常微分方程式を用いたシミュレーションの理論と技法を、具体例を挙げて説明できる。
- 偏微分方程式を用いたシミュレーションの理論と技法を、具体例を挙げて説明できる。
- 時系列モデルを用いたシミュレーションの理論と技法を、具体例を挙げて説明できる。
機械学習A
本授業は、機械学習に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。機械学習はデータサイエンスの基盤を成す数理的手法であり、主として統計学や数理最適化理論に基づく。この授業では機械学習の中から、いくつかの基本的な手法について学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- 「教師あり学習」「教師なし学習」「過学習」の意味および代表例を説明できる。
- 線形モデルによる2クラス分類を実行できる。
- 階層的クラスタリングやk-means法により、データをクラスタに分類できる。
機械学習B
本授業は、機械学習に関わる発展的内容を扱う。内容は年度により異なる。以下はその一例である。機械学習はデータサイエンスの基盤を成す数理的手法であり、主として統計学や数理最適化理論に基づく。この授業では特に、機械学習の中でも近年、実社会での活用が急速に進んでいる深層学習(ディープラーニング)について、その数理的背景を詳細に学ぶ。授業の具体的な到達目標は以下の通りである。
- ニューラルネットワークと深層学習の関係を、数式を交えて説明できる。
- 誤差逆伝搬法の計算式を導出できる。
- 深層学習の数理的な原理を、数式を用いて説明できる。