日時: 5 月 14 日(金) 15:00 〜 場所: 愛媛大学理学部数理科学棟2階 大演習室 講師: 観音幸雄 氏 (愛媛大学・教育学部) 題目: 2種競争系の定常解の大域的な分岐構造について 要旨: 2種競争系 $$ w_t = \varepsilon^2 \, d_w \, w_{xx} + w \, (1 - w^n - c \, z^n), \quad z_t = \varepsilon^2 \, d_z \, z_{xx} + z \, (1 - b \, w^n - z^n) \eqno{(1)} $$ を扱い,パラメータ $\varepsilon$ に関する定常解の大域的な分岐構造について考察する.分岐理論,比較定理や数値的検証法を用いて,定常解及びその線形化作用素の性質を調べることにより,(1) の定常解の分岐構造と,反応拡散方程式 $$ w_t = \varepsilon^2 \, w_{xx} + w \, (1 - w) \, (w - a), \quad 0 < a < 1 \eqno{(2)} $$ のそれとは類似していることが分かってきている.本講演では,(2) の分岐構造の概観を解説した後に,その構造と対応付けながら,(1) の分岐構造に関して得られている結果を紹介する予定にしている.