最終更新日: 2009年4月15日
日時: | 5 月 16 日(土) 13:30 〜 15:00 |
場所: | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師: | 廣澤 史彦 氏(山口大学・理工学研究科) |
題目: | 変数係数波動方程式のエネルギー評価について |
要旨: | 時間に依存する係数を持つ波動方程式の初期値問題に対して,時刻無限大におけるエネルギーの漸近評価について考える. 時間に依存する係数は外力の効果を持つため,定数係数の場合に成り立つエネルギー保存則が,変数係数の場合には一般に成り立たない.係数の導関数が L1 の場合,エネルギーの一様有界性が通常のエネルギー法を用いることによって直ちに示されるが,これは,変数係数の影響によるエネルギー流入出の絶対量が有限であることから従う自明な結論あると考えられる.一方,導関数が L1 でない場合,このようなエネルギー有界性の評価を得るためには,係数の振動に伴うエネルギー流入出の相殺効果を取り出す必要があるが,通常のエネルギー法はそれを行うには不十分である. 本講演では,対角化の手法を駆使することにより,係数の Gevrey の意味での滑らかさが,エネルギー評価の改善に本質的に寄与する事実について解説する. |
※通常の曜日・時間とは異なりますので注意してください.