最終更新日: 2009年1月19日
日時: | 1 月 24 日(土) 13:30 〜 15:00 |
場所: | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師: | 山本 征法 氏(東北大学・理学研究科) |
題目: | 移流拡散方程式の解の漸近挙動について |
要旨: | ここでは,荷電粒子の密度解析に由来する移流拡散方程式の初期値問題について,解の時間大域挙動を考える.移流拡散方程式は,非線形項に分数羃積分の構造をもつ半線形拡散方程式であり,その解の挙動は線形拡散効果と非線形相互作用とのバランスによって決定する.これまでに,Lebesgue
空間の枠組みにおいて,大きな初期値に対する解の時間大域存在が知られている.特に,時間大域解は熱核に漸近することが分かっている. 非線形項に,移流拡散方程式と類似の構造をもつ拡散方程式としては,非圧縮性粘性流体の運動を記述した Navier-Stokes 方程式,細胞性粘菌の走化性を記述した Keller-Segel 方程式などが挙げられる.これらの方程式の初期値問題については,時間大域解の高次漸近評価が知られて いる.ここでは,移流拡散方程式の解の高次漸近展開を考える.特に,移流拡散方程式と,Navier-Stokes 方程式あるいは Keller-Segel 方程式に関する既存の事実との相違に注目する. |
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