第51回 解析セミナー

最終更新日: 2008年10月9日

日時:  10 月 24 日(金) 15:00 〜
場所:  愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室
講師:  吉川 周二 氏(宇部工業高専・経営情報学科)
題目:  Stability of the steady state for multi-dimensional thermoelastic systems of shape memory alloys
要旨:   熱弾性方程式は,弾性体の変位と温度の関係を記述する連立偏微分方程式である.この中で形状記憶合金の Falk モデルと呼ばれる熱弾性方程式のように温度と歪みの相互作用の項が温度について線形な場合は,モデルの構造から適当な条件の下で定常問題の力学的安定性の結果が得られる.しかしこの相互作用の項が温度について非線形の場合は,この結果を直接は適用が出来ない。
 本講演では,定常状態の温度を固定した問題を考察することで,安定性を示すことができたということを報告したい.この結果の応用例として,多次元の粘性付き形状記憶合金方程式や,温度依存する比熱をもつ粘性付き形状記憶合金方程式の定常状態の安定性を示すことができる.
 本研究は鈴木貴氏(大阪大・基礎工)との共同研究である.