第33回 解析セミナー

最終更新日: 2006年11月17日

日時:  11 月 25 日(土) 15:30 〜
場所:  愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室
講師:  高木 泉 氏(東北大学・理学研究科)
題目:  非一様な環境下でのパターン形成とヒドラ再生実験
要旨:  Turing は,異なる拡散率をもつ二つの化学物質が反応するとき,空間的に一様な状態が不安定化し,非自明な空間的構造が形成され得ると云う「拡散誘導不安定化」の現象を発見した.Gierer と Meinhardt はこの考えを発展させて,短距離活性化と長距離抑制と云うメカニズムに基づく反応拡散系を提唱し,ヒドラの再生実験を説明した.Gierer と Meinhardt のモデルは実は反応の強さに空間的非一様性を仮定しているところにからくりがある.本講演では,非一様な環境下で解の集中現象が起きるとき,集中する場所と環境の非一様性との関係を論じる.それに基づき,果たして Gierer-Meinhardt 系はヒドラ再生実験をうまく説明しているのかどうかを検討する.
(鈴木香奈子氏との共同研究による.)

この回は曜日と開始時間がいつもとは異なりますので,注意してください.