第26回 解析セミナー

最終更新日: 2006年4月27日

日時:  5 月 12 日(金) 15:00 〜
場所:  愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室
講師:  藤家 雪朗 氏 (兵庫県立大学・理学部)
題目:  島の中の井戸の底のレゾナンスの虚部
要旨:  井戸型ポテンシャルを持つシュレディンガー作用素(例えば調和振動子)が井戸の底に固有値をもつことはよく知られている.このポテンシャルが遠方で減衰している場合(このとき島の中の井戸型ポテンシャルと呼ぶ),正の固有値はなくなるが,その近くにレゾナンスと呼ばれるレゾルベントの極が現れる.レゾナンスの虚部の大きさは,井戸の中の量子的粒子がトンネル効果によって島の外へでていく割合を表し,島や井戸の幾何学的形状に依存する.
レゾナンスの虚部のプランク定数に関する漸近展開を WKB 解を構成,接続することによって計算するのが目的である.ポテンシャルに解析性を仮定した Helffer-Sjostrand の結果を紹介しながら,解析性の仮定を取り除いた場合の方法および結果を解説する.
(A. L. Benbernou, A. Martinez との共同研究)