最終更新日: 2006年4月19日
日時: | 4 月 28 日(金) 15:00 〜 |
場所: | 愛媛大学理学部数学棟2階 大演習室 |
講師: | 伊藤 宏 氏 (愛媛大学・工学部) |
題目: | ディラック作用素の非相対論的極限について |
要旨: | ディラック作用素は,相対論的量子力学における重要な作用素である.大まかに言って,遠方で発散する電場ポテンシャルをもつパウリ作用素のスペクトルは離散スペクトルのみからなるが,対応するディラック作用素のスペクトルは絶対連続スペクトルのみからなり実軸全体と一致する.このように,スペクトルの性質は正反対と言っていいほど異なっているが,ディラック作用素の非相対論的極限(光速->無限大)はパウリ作用素である.本講演では,射影作用素の非相対論的極限を考えることで,パウリ作用素の各固有値にディラック作用素の"スペクトルが集中していく"ことについて説明する. (立命館大学・山田修宣氏との共同研究) |